導入
近年、色々な種類の食用油(オイル)が販売されており、健康効果について注目されています。特に近年流行している糖質制限の際に、糖質に変わるエネルギー源となる脂肪としても注目されています。食用油(オイル)の種類と健康効果について調べてみました。
オイルの種類
- ごま油:ゴマを圧搾等の加工して生成。天ぷらなどの揚げ油、炒め油として使用。ラー油の原料。
- サラダ油:精製された植物油。サラダドレッシング、マヨネーズの原料、マーガリンの原料、揚げ物、炒め物などに利用。
- グレープシードオイル:ヨーロッパブドウの種が原料。多環芳香族炭化水素を有害とされるほどの量を含んでいることがある。
- 荏胡麻油:焙煎した荏胡麻の種子から圧搾して生成。加熱すると急激に酸化が進み、毒性物質となることや、発砲ポリスチレン容器を溶かす等の特性があるため、「絶対にやってはいけない」使い方があるため注意が必要な油。
- 亜麻仁油:亜麻の種子を圧搾、又は破砕して溶媒で抽出して生成。ω-3脂肪酸であるα-リノレン酸をはじめとする不飽和脂肪酸が豊富。栄養サプリメントとしても販売。40℃を超えると酸化が進み、栄養素も壊れる。
- オリーブオイル:生のオリーブを非加熱で果汁を絞って放置して生成。酸度と精度で品質等級が分類。地中海料理によく使われる。加熱しない方がよいが、加熱処理しても栄養素は壊れづらい。
- MCTオイル(中鎖脂肪酸油):ココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸油だけを取り出した食用油。摂取すると通常の油の4倍の速度で消費される。熱いものにかけるのはOKだが、直接加熱は発煙するためNG。
- ギー:牛の乳、無塩バター等を煮詰め、水分や蛋白質を取り除き生成した食用バターオイル。ビタミンが豊富でLDLコレステロールを下げる効果もある。加熱に強い。
脂肪酸の種類
大分類 | 大分類特徴 | 中分類 | 中分類特徴 | 小分類 |
飽和脂肪酸 | 常温では固体 | |||
不飽和脂肪酸 | 常温では液体 | 一価不飽和脂肪酸 | 体内で作れる | オメガ9系脂肪酸 |
多価不飽和脂肪酸 | 体内で作れない | オメガ3系脂肪酸 | ||
オメガ6系脂肪酸 |
脂肪酸の小分類 | 成分 | 食用油 | 健康効果 |
オメガ9系脂肪酸 | オレイン酸 | オリーブオイル | 動脈硬化や高血圧の予防効果や便秘改善効果がある。 |
オメガ3系脂肪酸 | α-リノレン酸・DHA・EPA | 青魚・アマニ油・荏胡麻油・ギー | 魚を食べない現代人は摂取量が少なめ。は脳神経の機能にも関わり、認知機能の低下や、認知症の予防効果がある。オメガ6系脂肪酸の半分から1/4程度の割合で摂取するとよいとされている。 |
オメガ6系脂肪酸 | リノール酸 | サラダ油・ごま油・大豆油・コーン油・綿実油・グレープシードオイル | 現代人は摂取過多の傾向があり、過剰摂取すると動脈硬化を発症する。 また、マーガリン製造時など、化学処理で固体化する過程でトランス脂肪酸になる。トランス脂肪酸は長く食べ続けると心臓の病気や糖尿病リスクが高まる。 |
まとめ
食用油(オイル)といっても様々な種類がありますが、健康に良いものと悪いものがあることがわかっりました。「油」というと、「太る」というイメージを持っている方も多いかと思いますが、オメガ3系脂肪酸とオメガ9系脂肪酸は健康にも良さそうなため、日常生活で摂取するようにして、今後の研究にも注目が必要そうです。