導入
在宅勤務の普及および紫外線対策によって、近年ビタミンDが再注目されている。ビタミンDについて調査してみた。ビタミンDの研究はまだ発展途上であり、研究や情報の諸元によって摂取目安が異なるため、サプリメント等で摂取する場合は要注意。
ビタミンDの効果
ビタミンDは、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進するはたらきがあると言われている。摂取過多の場合は、高カルシウム血症等の副作用もあるため、注意が必要。
ビタミンDの摂取方法
以下の2通りがある。
- 日光浴により、皮膚から摂取する方法
- 食事やサプリメント等、口から摂取する方法
ビタミンDの1日当たりの推奨摂取量
ビタミンDの単位はIUと㎍の2通りがあり、40IU=1μgとなる。摂取量の目安には諸説ある。
- 8.5μg(厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)P182)
- 10 µg~20μg(厚生労働省:『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』)
- 成人の耐用上限量は100μgまで。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)P185)
上記から、1日当たりのビタミンDは、日光浴と食事合わせて10μg~100μgを摂取すれば良さそう。
日光浴による摂取目安
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)P181によると、晴天時に顔と両手のみ出した状態で5.5μgのビタミンDを摂取するための日光照射時間は以下の通り。夏場(7月)は5~10分程度日に当たればよいが、冬場(12月)は特に正午前後に日光に当たる必要がある。なお、日焼け止めやUVカットの化粧品等を使っているとビタミンD摂取量も激減するため、注意が必要。
7 月 | 7 月 | 7 月 | 12 月 | 12 月 | 12 月 | |
測定地点(緯度) | 9 時 | 12 時 | 15 時 | 9 時 | 12 時 | 15 時 |
札幌(北緯 43 度) | 7.4 | 4.6 | 13.3 | 497.4 | 76.4 | 2,741.7 |
つくば(北緯 36 度) | 5.9 | 3.5 | 10.1 | 106.0 | 22.4 | 271.3 |
那覇(北緯 26 度) | 8.8 | 2.9 | 5.3 | 78.0 | 7.5 | 17.0 |
食事からの摂取時の参考値
日光浴で必要量摂取できない場合は、食事やサプリメントから摂取するしかない。食品100gの中に含まれるビタミンDの量は以下の通り。
食品名 | 100gあたりのビタミンD含有量(㎍) |
乾しいたけ | 17.0 |
エリンギ | 1.2 |
生しいたけ | 0.4 |
あん肝 | 110.0 |
しらす干し | 61.0 |
紅鮭 | 33.0 |
鶏卵 | 3.8 |
うずら卵 | 2.5 |
牛乳 | 0.3 |
ナチュラルチーズ | 0.2 |
ネスレ ミロ | 11 |
サプリメントからの摂取量
日光浴でも食事からも摂取量が足りない場合は、サプリメントを飲むしかない。サプリメントの摂取量は以下の通り。
サプリメント名称 | 含有量(㎍) | URL |
Dear-Natura ビタミンD | 30 | https://a.r10.to/hMmD7P |
DHC ビタミンD | 25 | https://a.r10.to/hMrNVz |
ネイチャーメイド スーパービタミンD | 25 | https://a.r10.to/hawcbZ |
ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル | 10 | https://a.r10.to/hMRn2W |
ネイチャーメイド マルチビタミン&ミネラル | 5 | https://a.r10.to/hMi27W |
血清25ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]濃度と健康
厚生労働省が公開している『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』によると、以下の通り。
nmol/L | ng/mL | 健康状態 |
30未満 | 12未満 | ビタミンDが欠乏しており、小児ではくる病、成人では骨軟化症を引き起こす可能性がある。 |
30~50 | 12~20 | 一般的に健常者が骨と全般的な健康を維持するには不足していると考えられている。 |
50以上 | 20以上 | 一般的に健康な人の骨と全身の健康には十分と考えられている。 |
125超 | 50超 | 特に150 nmol/L(60 ng/mL)以上では、潜在的な副作用との関連性がある。 |
参考
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
