導入
屋外で人との距離も遠いため、コロナ禍でも安全にできるスポーツとしてゴルフが注目されています。ゴルフを始めてみようと思っている方は多いかもしれませんが、最初のハードルが高いかと思います。ゴルフを始める際に初心者が知っておくべき知識を整理してみました。なお、初心者の最低限のマナーやルールだけなので、慣れてきたら正式なマナーやルールを覚えていきましょう。
大きな流れ
大きな流れとしては以下の流れになります。
- 半年~1年くらい練習場に行ってスイングを覚える。(練習場デビュー)
- ショートコースに行って、ラウンドの流れを覚える。(ラウンドデビュー)
- 半年~1年くらい経ってゴルフ場でラウンドする。(ラウンドデビュー)
練習場デビュー
まずは練習場に行ってスイングを覚える必要があります。
練習場は屋外の練習場でも屋内の練習場でも良いですが、屋内の練習場は計測器が付いている練習場じゃないと感覚がまったくわからないので、距離がある屋外練習場または計測器付きの屋内練習場にしましょう。正確なデータがわかって風の影響や弾道のイメージがつきやすいため、「計測器がついていて距離がある屋外練習場」が最も望ましいです。
練習場の探し方
練習場を探す際には以下を確認しましょう。
- クラブがレンタル可能か
- 最初は7番アイアンを1本借りれれば良いです。
- ボールの貸し出し方法
- 球貸し(1球いくら)と時間貸し(1時間いくら)があります。球貸しだとじっくり練習できますし、時間貸しだと多く打っても安く練習できるメリットがあります。
- 支払い方法
- 現金払いか会員カードが必要か等がありますが、好みになります。
- 距離
- 100Y以上あった方が風の影響とか曲がり方がわかりやすいです。
- 計測器の有無
- 計測器がある屋外練習場が望ましいです。
- レッスンがあるか
- 経験者と一緒に行ったり、Youtubeで勉強したりでもよいですがレッスンの方が始めやすいです。
- 予約有無
- 予約があった方が待ち時間が少なくてよいです。
練習場に行く準備
練習場に行く前は以下を準備しておきましょう。
- お金
- 高い練習場でも5000円あれば十分です。
- 飲み物
- 練習場にも自動販売機がありますが、高い所が多いので持っていくことをおすすめします。
- ゴルフグローブ
- 基本的に貸してくれる練習場はないため、事前に購入していく必要があります。なお、ゴルフグローブなしで打つこともできますが、初心者がゴルフグローブなしで打つと、手にマメができたり皮がむけたりと大変なことになりますので、必ず持参することを推奨します。
- 運動靴
- スニーカーまたはゴルフシューズ等、スイングできれば大丈夫ですが、ヒールのある靴やサンダル等は避けましょう。
- 運動しやすい服装
- ゴルフ場は厳しい所もありますが、ゴルフ練習場は比較的に自由な所が多いです。
- ゴルフクラブ
- レンタルできれば、持っていなくても大丈夫です。初心者のうちはスイングが固まっておらず、自分にあったクラブがわからないと思いますので、購入するとしても初心者クラブセット等にした方がよいです。初心者のうちに高いクラブを購入するのはお勧めしません。
練習場の打席での所作
打席についたら以下をしましょう。
- ボール貸出機からかごにボールを入れて打席に持ってくる。
- 「自動ティーアップ」で打席に1球ずつ自動的にボールが出てくるところもあります。
- 自分の準備
- 靴を履き替えたり、軽く準備運動をする。
- ボールを打つ
- 球貸しの場合は、数回素振りをして、1球打つ。時間貸しの場合は、素振りなしでもよいですが、数回素振りしてから打つ癖をつけておいた方が、後々ラウンドの時に役立ちます。
ショートコースデビュー
ショートコースとは、距離が短いゴルフ場になります。ショートコースでのラウンドなしで、いきなり普通のゴルフ場でラウンドするのも良いですが、マナーやルールおよびラウンドの流れを覚えるためにショートコースに行くことをお勧めします。目安としては数ヵ月~半年くらい練習場で練習して、少なくとも、「100%空振りせず、確実に50Y以上はウェッジで飛ばせる」ようになった後が良いでしょう。
ショートコースの探し方
ショートコースを探す際は、以下を確認しましょう。
- クラブレンタル可否
- 初心者セット等を既に購入済みでしたら不要ですが、まずはレンタルクラブでラウンドすることをおすすめします。
- 各ホールの距離
- 最初にラウンドするのであれば、短め(全ホール200ヤード以内)のショートコースが良いでしょう。初ラウンドで、距離が長いホールがある場合、前の組との距離がどのくらいになったら打ってよいかや、ゴルフの調子が悪い時に困ることがあります。
- 支払い方法や金額
- 現金支払いのみのショートコースが多いです。初ラウンドはうまく行かないことも多いため、安いショートコースが望ましいです。
- 立地条件やアクセス方法
- ショートコースは河川敷や山奥にあることが多いです。ゴルフ場であればクラブバスを出している所もありますが、ショートコースではあまりありません。車を持っている場合は問題ないですが、車を持っていない場合は特に気を付けましょう。
- カートの有無
- 中級者になって、ある程度ちゃんと打てるようになれば、乗用カートがあった方が楽ですが、初心者は手引きカートのみの方が上級者との差が出づらいため、望ましいと思います。
ショートコースに行く準備
ショートコースに行く前には以下を準備しておきましょう。
- ゴルフボール
- コースにもよりますが、10個程度はあった方が良いでしょう。30個くらい持っていけば安心です。ネットでロストボールと検索して安いものを購入しておきましょう。
- ゴルフグローブ
- ゴルフグローブなしで打つこともできますが、初心者がゴルフグローブなしで打つと、手にマメができたり皮がむけたりと大変なことになりますので、必ず持参することを推奨します。
- ゴルフクラブ
- レンタルで十分ですが、もし購入するのであれば、ゴルフバッグまでついている「初心者用ゴルフクラブセット」を購入しましょう。なお、短めのショートコースの場合は、7I・PW・SW・パターの4本くらいを持っていけば十分です。
- ゴルフシューズ
- 一部ショートコースではスニーカーも可の所がありますが、芝の上ではゴルフシューズの方が打ちやすいですし、滑りづらいため、危険が少ないです。シューズケースと一緒に購入しておきましょう。
- 運動しやすい服装
- 正式なゴルフ場は厳しい所もありますが、ショートコースは比較的に自由な所が多いです。男性であれば、襟付きポロシャツであれば確実に大丈夫でしょう。
- ティーペグ
- 通常は「ティー」と呼ばれることが多く、ティーグラウンドでボールを浮かせるための物です。大きく分けて、ドライバー用の「ロングティー」とドライバー以外のクラブのための「ショートティー」の2種類がありますが、ドライバーを利用しないショートコースの場合はショートティーだけあれば十分です。素材によりますが、ダフって折れたり、どこかに飛んで行って紛失したりしますので、数本あった方が良いです。なくてもラウンドできます。
- 帽子
- 夏は熱射病対策としても有効です。また、ショートコースは初心者も多いため、どこからボールが飛んでくるかわかりません。もしもボールが飛んできたときのために帽子は被って行った方が当たった場合の生存確率が上がります。
- ゴルフマーカー
- グリーン上でボールを拾い上げる際に使用する道具です。コースによっては、簡易的なゴルフマーカーを無料で配っていますが、紛失したり消耗したりするものではないので、1000~2000円程度の帽子に装着可能なマグネット式ゴルフマーカー等を1つ購入しておくことをお勧めします。
- グリーンフォーク
- グリーン上のボールの落下地点がへこんだ箇所(通称:ボールマーク)を修復するための道具です。初心者はフルショットでグリーンに乗ることは少ないですが、紛失したり消耗したりするものではないので、持っていた方が望ましいです。ごくごく一部、無償で配っているゴルフコースもありますが、ほとんどのゴルフ場では配布していませんので、購入が必要です。
ショートコースでの所作(ラウンド開始前)
ショートコースについたら、以下をしましょう。
- スタート時間の確認
- 予約が必要なショートコースではスタート時間が決まっている場合も多いですが、予約不要のショートコースではスタート時間を確認しましょう。
- 着替え
- 靴を履き替えて、ゴルフできる格好に着替えましょう。
- カートにゴルフバッグをセット
- カートを借りて、ゴルフバッグを載せて固定しま、クラブにカバー等が付いている場合は、傷つかない範囲で取り外しておきましょう。
- ゴルフ小物を準備
- ゴルフボール3個、ティーペグ数本、グリーンフォーク1本、ゴルフマーカー1個をゴルフバッグから取り出し、ポケット等のすぐに取り出せるところに持ちましょう。
- スタートホールで待機
- 遅くともスタート時間の10分前にはスタートホールで待機できるようにしましょう。
- 一緒にラウンドする人と合流
- 大体は4人1組でラウンドすることになります。友人と4人で行く場合は良いですが、3人以下の場合は他の人と組み合わせになることがありますので、挨拶しておきましょう。
- 打順の決定
- 基本的には遠い順で、スコアが良かった順にティーショットするのですが、最初はくじ引きで決めることが多いです。スタートホールのティーグラウンド横に銀色の筒に入った4本のくじ棒が置いてあると思いますので、一番立場が下の人が4本取りに行きましょう。立場が高い順にくじを引いてもらって、くじの溝の本数が少ない順で打順を決まります。可能性は低いですが、くじがない場合は、4人の真ん中にティーを投げて、ティーの向きから時計回り等で決めることが多いです。
コースでの所作(全般)
コースでの全般として以下を注意しましょう。
- 素振りも含めて、人がいる方向に振らない。
- ヘッドがすっぽ抜けたり、地面に小石があって当たったり等事故に繋がります。
- 素早くプレーする。
- ゴルフ場は、ハーフ(9ホール)で2時間以内、ショートコースならハーフ(9ホール)で1時間以内を目安にラウンドしましょう。他の人の打順の時に、自分のクラブを用意したり、ラインを読んだりしておきましょう。
- 危険時以外は静かにプレーする。
- ボールが隣接ホールに飛んだ際は、大声で「ファー」と注意喚起が必要だが、それ以外は基本的に静かにプレーしましょう。前後の組や隣接ホールのプレーヤーにも気を使いましょう。
コースでの所作(ティーグラウンド)
ティーグラウンドでは以下をしましょう。
- 打順
- スタートホールはくじ引き、2ホール目以降は前のホールのスコアが良かった順で打ちます。仲の良い仲間同士のラウンドであれば、あまり気にしないで良いかもしれません。
- 音を立てない
- 同じ組だけでなく、前の組も含めて、他の人が打つ際は、声を出したり、音をたてたりしないようにするのがゴルフのマナーです。他人が構えたら音を立てないようにしましょう。
- 立ち位置に注意
- ボールが飛んでくる可能性がある飛球線方向の左右90度や、飛球線後方上や真ん前等の視界に入る場所に立たないようにしましょう。構えている背後の位置が望ましいです。
- 準備
- ティーグラウンドについたら、すぐに打てるように、打つクラブを決定し、バッグから取り出して準備しておきましょう。また、そのホールで使用するボール1つとティーペグ1つも取り出しておきます。(右利きの場合は、左手にクラブ、右手にボールとティーペグという状態です。)
- 一般的には、利き手人差し指と中指で挟むようにティーペグを持ち、ティーペグに接するようにボールを握りしめるように持つことが多いです。
- スタートホールは打つ前に挨拶
- 「宜しくお願いします」と言ってから構えることが多いです。
- 打ったボールが隣接ホールの方向に飛んだら「ファー」と注意喚起
- ゴルフボールが直撃すると死ぬ可能性があります。隣のホールに行きそうになったら、即座に大声で「ファー」と叫びましょう。なおこれをしないと「故意にボールを当てた」と判断され、罪が大きくなり保険が下りないこともありますので、ご注意ください。飛んだ方向に人が見えなくても、隣のホールの方に飛んだら、注意喚起しておくのがマナーです。なお、「ファー」と叫ぶことで、気持ちを切り替えるという技もあるようです。
- 次に打つクラブを何本か手に取って、全員打ち終わったら、ボールまで走りましょう。
コースでの所作(スルーザグリーン/フェアウェイとラフ)
ティーグラウンドからグリーンまでの間のハザード以外をスルーザグリーンと言います。芝が短く刈られているフェアウェイ、芝が長いラフ、芝がないベアグラウンドといった場所が含まれます。スルーザグリーンでは以下をしましょう。
- 打順
- 基本的には遠い人から順に打ちます。林の中や崖の下等の見えづらい所から打つ場合は声を掛け合いましょう。
- 音を立てない
- 他の人がプレーしている時は音を立てないようにしましょう。
- 立ち位置に注意
- どこに飛ぶかわからないため、基本的には打つ人よりも前には出ない。
- 急ぐ・走る
- グリーンから一番遠くにボールがある場合は、急いでプレーする。グリーンから一番遠くにボールがある場合は、少なくとも一番先頭を走る。
- 隣接ホールにボールがある時
- OB杭や1ペナ杭がない場合は、ルール上そのまま打つことが可能ですが、隣接ホールのプレイヤーが優先です。隣接ホールのプレイヤーが移動中や待機中のタイミングを見計らって、一言「すいません。」と声をかけてから隣接ホールに入り、プレーをしましょう。
- ハザードやサブグリーンへの不要な立ち入りを避ける
- 不要に池やバンカーやサブグリーン等に入らないように避けて通りましょう。
コースでの所作(バンカー)
- バンカーには平らな場所から入る
- バンカーの淵が壊れるため、崖上になっている場所ではなく、少し遠回りでも、平らな場所から入るようにしましょう。
- バンカーショット時に注意
- ボールはもちろんですが、バンカー内に小石がある場合があり、クラブに当たって前方に飛ぶ可能性があるため、前方に人がいないことを確認しましょう。
- 打つまで砂につけないように注意
- ハザード内ではショットの前にクラブを砂につけることがルールで禁止されています。砂につかないように浮かせて構えることと、バックスイングの時に砂につかないように気をつけましょう。
コースでの所作(グリーン)
- 走らない/足を引きずらない
- グリーンは傷つきやすいため、スパイクシューズでグリーンを傷つけないように走ったり、足を引きづったりしないようにしましょう。
- 人のラインを踏まない
- 一緒に回っている人のボールとカップを結ぶラインを踏まないようにしましょう。また、早朝や夕方のラウンドでは自分の影がライン上に入らない位置に立ちましょう。
- すぐにマークをする
- 同じ組の中で一番最後にカップから一番遠くに乗った場合を除き、速やかにマークを置いてボールをピックアップしましょう。
- 視界に入る位置に立たない
- パッティングする人のすぐ前やカップの近く等、視界に入る位置に立たない。
- グリーンカラーにパター以外のクラブを置いておく
- ウェッジ等を持っている場合は、他の人のプレーの邪魔にならず、グリーンを傷つけないようにグリーンカラーに置いておきましょう。
まとめ
ゴルフはマナーが重要な紳士のスポーツだけあって、最初に覚えるべきマナーがたくさんあります。最低限のマナーを覚えておき、自分も一緒に回る人も快適なゴルフデビューをしましょう。